よく見ればヌートリア

自分用の記録

5.16 「こちらトゥルーロマンス株式会社」(ニコルソンズオンライン演劇)

 

5.16(土)

20:00〜 オンライン演劇(ZOOM)

 

 

今まで演劇と言うものは劇場で見るのが至高だと思っていたし、何なら今もそれに敵うものはないと思うのは変わらない。もちろん好きな作品や事情があって現地で見られなかった過去の作品をDVDで見ると言う選択肢を取ることはあるし、チケットが取れなかった公演をライブビューイングで見ることもある。けれど、やっぱり劇場の座席に座って見るわくわく感が一番であることは揺るぎないのです。

 

しかしまさかの事態で、その「劇場ならではのわくわく感」を味わうことが難しくなってしまった今年。

劇場の座席に座って舞台を見る代わりに、お家で、オンライン会議のツールを使って、舞台を見ることになるなんて思いもしませんでした。

 

今回のニコルソンズさんの作品は、2月になにわニコルソンズさんのお通夜イレブンを見たのが最初。木下さんの脚本が笑いあり驚きありで凄く面白くて、役者さんたちも魅力的で、あー絶対また見たいなーと思っていた時に、まさかのオンライン演劇…!

 

で、以下ちょろっと感想。

 

「トゥルーロマンス株式会社」。

お客さんはお金を払って運命の恋、すなわちトゥルーロマンスを仕掛けてもらい、社員たちはその成功と引き換えに報酬を得る。

そんな詐欺ギリギリとも言えるグレーゾーンの仕事をこなす会社の新入社員として、先輩社員のオンライン会議をこっそり覗き見する、と言うのが観客であるわたしたちの仕事。

 

覗き見する、って言うのはたのしい。いけないことだけど、とてもたのしい。

座席に座っているとどうしても舞台上の光景を外から眺めていると言うか、覗き見している、と言う感覚はあまり生まれないのだけど、オンラインで、本物のオンライン会議ツールを通すことで、まさに今、大事な会議をしている様子をこっそり盗み見ているような感覚になれる。

それが、めちゃくちゃ、たのしい…!

インターネットを使用しているから映像が乱れたり声が飛んだりもするけれど、それも含めてまためちゃくちゃリアルでわくわくするんですよ。

とにかく発想が凄い。そしてZOOMの機能をフル活用して自分が参加していると言うわくわく感も得られるのは、オンライン演劇ならではだなあと。

 

と言う訳で参加したトゥルーロマンス株式会社の新人研修。

まず先輩社員の方々がほんとに個性豊かで素敵…!

誰かに運命の恋を提供する人たちにも、勿論色んな感情や事情がある。職場と言う狭い世界では、人間関係も様々。

自分はあの人が好きだとか、あの人は自分が好きだとか。運命の恋の手伝いをしながら、一方で自分たちもその感情に振り回されて勘違いしたり焦ったりショックを受けたりしてるのが、ほんとに滑稽で面白い。そしてその滑稽さがまた人間らしくて、みんな魅力的だしみんな好きになる。みんな応援したいしそれぞれ幸せになってもらいたい。

とは言え何ならお客さんよりそっちをまずどうにかした方がいいんじゃないか…!?って思うぞ!笑

 

お通夜イレブンを見た時も思ったんですけれども、軽やかでテンポのいい会話の中から生まれる笑いがめちゃくちゃ面白いんです。会話の中から滲み出る登場人物たちの少し変でおかしなところとか、その関係性の複雑さとか。

それを凄く自然な流れで突っ込んでくるから、目が離せないしほんとに始終笑いっぱなしでした。

個人的に言うと、大黒課長のアカン男感が凄く好き!笑

あと沢田さんがな〜〜〜すっっごい面白くて〜〜〜!わたしはめちゃくちゃ見守ってしまったし応援してしまった!幸せになってほしかった!!!!!

 

展開もやっぱりびっくりするし、そこにオンラインならではのハラハラ感も合わさって、リアルな緊迫感と映画を見ているようなドキドキ感がぐっちゃぐちゃになって凄く楽しかった!

よく映画の宣伝でラスト5分の衝撃…ってあるけど、まさにそれ!最初から最後まで臨場感の嵐…。

これから毎週役者さんが変わりつつ公演されると言うことで、めっちゃ楽しみ!役者さんが変わった時の微妙な違いを楽しむのがめちゃくちゃ好きなので、今から来週以降が楽しみで仕方ないです。

 

トゥルーロマンスは誰かを救う。

それが例え仕組まれたことから始まったものでも、それで誰かを救って幸せにできるなら、それはそれでアリだよなあ。

わたしも仕組まれたいと思ったし、あんな職場で働きたいと思った!履歴書出させてください!!!!!!ここで働かせてください!!!!!!

 

…ここで働かせてください!!!!!!(2回目)