よく見ればヌートリア

自分用の記録

みんな!新人研修に行こう!〜こちらトゥルーロマンス株式会社のはなし〜


さて恐ろしいもので今年も半分過ぎ去ろうとしてますが、皆さんなにしてますか?
わたしはねえ、寝てる。働いてるか、寝てる。舞台も軒並み延期か中止だし、遠出はまだ若干気が引けるし(東京と北海道行きてえ〜)、こんな状況なもんで予定も入れるに入れれないし、寝てる。

てことで今日は、おそらく世の中にひとりふたりはいるであろうおんなじような時間の消費をしている人及び、割とこの状況でも充実している人にも勧めたい、ある会社の新人研修にまつわる話をするぜ!

※この記事は今週末のこちロマが楽しみすぎた結果、笹食ってる場合じゃねえパンダ(参考)よろしく飛び出したい気持ちになり生まれたものです。あわよくばこの機会にこの作品を布教することにより仲間を増やし、毎週水曜木曜辺りになるとそわそわする気持ちが勝手に臨界点突破する仲間を増やそうと言う魂胆があります。
そう、要するに完全な自己満足です。これこそ自己満足を極めた記事。宜しくお願いします。

 

 

 

 

そもそものはなし


そもそもまずこの記事でなんのはなしをしたいかと言うと、『こちらトゥルーロマンス株式会社』と言う演劇作品です。
6/18現在、毎週土日に公演が行われています。
(土曜:20:00〜、日曜:15:00〜)
(詳しいことはTwitterで『なにわニコルソンズ』or『渋谷ニコルソンズ』で検索だ!)
公演が行われていると言っても劇場で公演されているのではなく、オンライン上で行われている公演です。オンラインだけど収録の配信ではなく生配信です。そう、生です(すげえ〜!)
オンライン会議ツールである『Zoom』を使用して、リアルタイムに、生の演劇が配信されます。オンラインなので、ネット環境さえあれば世界中どこからでも見れます。
だから、開演30分前に起きても大丈夫。化粧しなくていい。食事しながらでも見れます。酒だって飲めるぜ!(すげえ〜〜!)(2回目)
家から一歩も出ずに見られる演劇。まさに今、この状況にぴったりすぎる。ほんとにすげえや!

──が、この作品は単に『オンラインで生配信される演劇』ではないのだ。そこが凄いとこなのだ。
凄いとこなのだけども、あまりにも凄いとこなので、それはちょっと後で話すのだ。

さて、『こちらトゥルーロマンス株式会社』は、タイトルから判る通り、とある企業の物語です。
どんな会社なのかめちゃくちゃ簡単に説明すると、『運命の出会い、所謂トゥルーロマンスを提供する会社』です。結婚相談所のようですが、勿論単なる結婚相談所ではありません。「運命の出会い」を提供します。お察しの通り、色々スレスレギリギリです。

で、そんなスレスレギリギリ、少し(?)怪しい企業の『新人研修』として『オンライン会議を覗き見する』と言うのが、この作品におけるわたしたちの役目です。
そう、わたしたちは単なる観客ではなく、トゥルーロマンス株式会社の新入社員なのです。つまり、ただ画面を見ているだけで終わる作品ではありません。

すげー!ヤッバ!わくわくするね!(語彙)

 

 

ここがすごいぜ!と言うはなし


先述の通り、「こちらトゥルーロマンス株式会社」は単なるオンラインでの演劇生配信ではありません。面白いところがいっぱいあります。
そう、それを書きたかった!書くぜ!

 

1.観客は新入社員

上でも書きましたが、この作品においてわたしたちは単に「演劇を見ている観客」ではありません。「新人研修に参加する、新入社員」です。どう言うことかと言うと、我々にも役目があると言うこと。我々も参加者であると言うことです。
もちろん一緒にお芝居をすると言う訳ではなく、例えばあるシーンで意見を求められたり、なんらかのアクションを要求される場面があったり…まるで本当に同じ会議に参加しているような気分になれるシーンがたくさんあります。そしてそのアクションもこれはちょっと…となるような精神的にハードルが高いものではないので、気軽に物語の中へ入っていけます。
個人的に、これこそオンライン演劇ならではと言う印象。劇場で見る演劇ではなかなか得られない感覚を味わえます。めちゃくちゃ面白い。

とにかくZoomと言うツールの機能をフル活用。あらゆる機能を使って、わたしたちをオンライン会議の中へ引っ張り込んでくれます。
気がついた時には観客ではなくもう完全に新入社員。ちなみにZoomわかんね〜って方でも大丈夫、優しい上司が最初に教えてくれるよ〜〜〜!ありがたいねえ〜!

 


2.濃すぎる先輩社員と毎回変化する脚本・演出

なんと言ってもトゥルーロマンス株式会社、先輩社員のキャラが濃い。めちゃくちゃ濃い。みんな濃い。キレッキレ。「なんか印象薄かったな…」って人が、見事に誰もいない。みんなにちゃんと見せ場がある。かっこいいのに二面性がヤバイ上司がいたり、ビビるほどチャラい人がいたり、人間ウィキペディアがいたりする。羅列しただけで既に濃い。
そしてみんな、何かしらの秘密と事情を抱えている。誰かに運命の出会いを提供しながら、その裏では自分たちの恋や感情すらぐっちゃぐちゃ。そりゃもうまともな人間関係ではありません。でもそれが、凄く人間らしくて愛しくなるのです。
わたしたち新入社員はオンライン会議を覗き見しながら、同時にそんな先輩社員たちの関係性も覗き見することになります。そして様々な思惑や心情、とにかく複雑な人間関係を目の当たりにする内に、物語は驚くべき展開に突入していきます。そのジェットコースター感がとにかく凄い!
笑ったり驚いたり、とにかく忙しいのです。まさに臨場感。本来なら一観客でしかないはずのわたしたちも含め、その展開に巻き込まれていきます。それがめちゃくちゃ楽しく気持ちいい!

上の通りとにかくキャラが濃い先輩社員の皆さん、個性が強すぎて度々キャラの衝突事故を起こします。大事故です。しかしながら、事故を起こしてとっ散らかったままになるのではなく、きっちり片付けて、綺麗にまとまっていく!やっぱりすごいぜ!

更に凄いのが、回によって演出が変わると言うこと。ちょっと言い回しが違うな…と言うレベルではなく、あらゆる部分がガラッと変わることもある。その上、結末が変わる回すらあったりします。そう、「あ〜この後はこうなってこう言う会話だな」と言う予想は、ほぼアテになりません。
つまり、そっくりそのまま同じ回は、一度たりともないと言うこと。もしこれからこの作品を見る人がいたとしたら、それがあなたにとって特別な一回になるはずです。勿論、二回三回と見ても全部特別。
毎週開催される新人研修は、毎回違う新人研修。開けてみなければわからないびっくり箱のように、その日の公演がどんなものかは、見てみるまで誰にもわからないのです。

 

3.毎回変化するキャスト陣

この作品において、同じ回は一度たりともない、と言いました。それは脚本や演出だけではなく、キャストさんも同じです。

なんとこの作品、キャストさんが『毎回』変わります。いいですか?『毎回』です。土曜公演と日曜公演でも、異なるキャストさんが出演されます。どうなってんだ(どうなってんだ)
キャストさんが変わると、同じ登場人物でも持っている色が変わります。前回見たあの先輩が、今回見る先輩と全く同じだとは限らない。見た目は勿論、印象や口調、性格なんかもちょっとずつ変わっていることもある。
もし連続で同じキャストさんを見るとしても、油断してはいけません。周りを囲むキャストさんが変わればその新しい組み合わせが化学反応を起こし、更に印象が変わることだってあります。と言うか、同じキャストさんでもうっかりキャラが変わっていることも普通にあります。

個人的に、役者と言う人たちの凄さと面白さがよく判る作品じゃないかなあと。演じる人によって柔軟に変わる脚本も勿論ながら、命を吹き込むキャストさんたちも凄い。演じる人自身、そしてキャストさん同士の関わり合いで、ひとりの登場人物が何通りにも変化します。
これはすごい!すごいね!何回でも見たくなるよね!(ね!)

 

 

さいごに


書いた。書いたわ。書きたかったこと書いたわ。スッキリ。勝手にスッキリした。

が、勿論これは単なる名も無き新入社員の感想とパッションだけの文章です。
ぜひ自分の目で見て確かめて頂きたい…そしてこの少しおかしく素敵な会社の魅力に気付いて頂きたい…。
週一回だった公演が週二回になり、ここ数回で客演さんも登場し始めて、更に楽しくなり始めた『こちらトゥルーロマンス株式会社』。きっと見たら入社したくなるし、先輩社員の皆さんと働きたくなる。はず。わたしは働きたい。

個人的には舞台とかあんまり見ないなーって人に見て欲しさ、ある。
なんと言ってもオンライン、自分の好きなように楽しめるのです。劇場で演劇を見られないことは残念ですが、オンラインだからこその取っ付きやすさや楽しみやすさが物凄くあるし、それが物凄く詰まった作品だと思います。

もし土曜日の夜か日曜日の昼間、ぴったり都合があう時間に2時間ほど退屈な時間ができたとしたら。みんなで参加してみようぜ楽しい新人研修〜〜〜!!!!!

(あわよくば俺の推しを見てくれ〜!)(見てくれ〜!)

 

※わたしはこの記事の中で何回「すごい」「すげー」と言ったでしょうか。死ぬほど暇な時間が生まれた時に数えてみよう。びっくりするくらい無意味な時間を過ごせます。